ひざ痛チャンネル編集部
2018-03-30

膝の脱臼を繰り返したくない!癖にしないための治し方とリハビリ法

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膝の脱臼を繰り返したくない!癖にしないための治し方とリハビリ法

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膝に激痛があり腫れている。急に膝の力が抜ける。この記事を読んでいるということは、こんな症状から膝を脱臼したかも?と疑っている、もしくはすでに膝の脱臼と診断されいたりするかもしれませんね。そんな人たちの不安を和らげる情報をお届けします。

膝を脱臼した人が不安に思う要素として、代表的なのは次の2つ。治すために手術は必要なのか、そして脱臼を繰り返さない方法はあるのか。今回は、この2点について詳しくお話していきます。実践できるリハビリ法もご紹介しているので、ぜひご覧の上、お試しあれ!

 

膝の脱臼はどのくらいの割合で癖になる?

膝の捻挫を繰り返す

脱臼を引き起こす部位としては、膝関節の他に、肩やあごがあります。このうち、もっとも繰り返し脱臼するリスクが高いのが肩で、70%ほどの割合。膝はと言うと、20〜50%の割合で再脱臼すると言われています。再脱臼が一度起こると、その後は何度も繰り返し、脱臼が癖になってしまうケースが多数。そして、癖になってしまうと反復性脱臼と言って、強い衝撃がなくても膝蓋骨がずれるようになり、治療する方法は手術するしかありません。

そのため、再脱臼をできるだけ起こさないよう、きちんと治してリハビリをしっかり行うことが大切なのです。

 

脱臼した膝の状態を理解しよう

病院で説明を受けた人もいるかもしれませんが、まずは膝のどこがどんな状態になっているかについてお話します。

膝の脱臼には2種類あります。ひとつは膝のお皿こと膝蓋骨(しつがいこつ)が、正常な位置からずれてしまうというもの。もうひとつは、太ももの大腿骨とすねの脛骨ががずれるというもの。今回は全社の膝蓋骨脱臼について詳しくお話したいと思います。

 

どう違う? 膝蓋骨脱臼と膝蓋骨亜脱臼

膝関節を上から見たとき、正常な膝蓋骨は大腿骨のくぼみ部分に収まっています。つまり膝蓋骨脱臼は、このくぼみから膝のお皿が外れてしまった状態で、外側にずれるケースがほとんどです。このずれ具合の違いによって、膝蓋骨脱臼もしくは膝蓋骨亜脱臼のどちらかに診断されます。

脱臼した膝蓋骨の状態

 

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨が大腿骨のくぼみを乗り越えて、正常な位置から大きくはずれた状態を言います。

 

膝蓋骨亜脱臼

大腿骨のくぼみを膝蓋骨が乗り越えはしないけど、きちんとはまっていない状態を言います。

 

膝蓋骨を脱臼しやすいのはどんな人?

膝の脱臼とQ角

出典:日本整形外科学科

膝蓋骨は、太ももの筋肉の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とすねの骨の脛骨(けいこつ)につながる膝蓋靭帯とをつないでいる膝の骨。膝を伸ばすときに滑車のように働くことで、大腿四頭筋の運動を脛骨に伝える役割を担っています。

膝の脱臼には、この大腿四頭筋と膝蓋靭帯のQ角が関係します。Q角とは、大腿四頭筋の力が加わる方向と膝蓋靭帯のなす角度のこと。15°以下が正常とされていますが、この角度が大きいと膝蓋骨を外に引っ張る力が強まり、ジャンプの着地など筋肉が収縮したときにはずれやすくなるというわけです。このQ角が大きいのは生まれつきのものが大きいのですが、大腿骨と脛骨が逆方向に回転するようねじれていたり、O脚やX脚といった骨の配列の問題があったりと、後天的なアライメント不良(骨の角度や並びのずれ)も関係します。

また、膝蓋骨の脱臼には次のような要因も影響します。

 

10代の女性

膝蓋骨の脱臼は10代の女性が多く見られる疾患です。というのも、思春期になるとホルモンバランスの変化によって、女性は筋肉や靭帯といった軟部組織が弛みやすくなるから。膝蓋骨が外にずれないように働く筋肉や靭帯も例外ではなく、その影響を受けやすいのです。

 

先天的な骨の形

大腿骨のくぼみが浅かったり、膝蓋骨が薄かったりと、生まれつき膝蓋骨が脱臼しやすい形状であることも少なくありません。

 

手術を考えることになる膝蓋骨の脱臼3つのケース

膝蓋骨の脱臼は、病院を受診する前に自然に整復されている(正常な状態に治る)なんてことも、実は少なくありません。ただ、次のようなケースだと手術での治療も検討することになります。

 

【膝蓋骨の脱臼で手術するケース1】膝に大きな骨折も見られる

膝蓋骨の脱臼が疑われる状態で病院を受診した場合、骨折の有無を確認するため、必ずレントゲン検査が行われます。膝蓋骨脱臼したときや整復の際に、膝蓋骨や大腿骨を骨折することがあるからです。欠けた骨や軟骨は関節ねずみとして痛みのもととなったり、軟骨や半月板をきずつけ、ゆくゆくは変形性膝関節症を発症してしまうことも。そのため、骨折の程度が大きければ手術の適応となります。

 

【膝蓋骨の脱臼で手術するケース2】膝の内側の靭帯が断裂している

膝の内側には、大腿骨のくぼみから膝蓋骨が逸脱しないように支えている靭帯があります。それが、内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)です。この膝の靭帯が損傷したり断裂したりすると、膝蓋骨はずれやすくなってしまい、不安定に。繰り返し膝蓋骨を脱臼する、反復性脱臼を起こしてしまいやすいため、内側膝蓋大腿靭帯の再建手術の適応となります。

 

【膝蓋骨の脱臼で手術するケース3】脱臼が癖になっている

そしてこちらのケース。冒頭でも触れたように、反復性脱臼になってしまうと、手術以外で治療することはできません。そのため、もし膝蓋骨の脱臼が癖になり繰り返しているようなら、手術の検討をおすすめします。

膝蓋骨の脱臼を繰り返していると、それだけ膝蓋骨や大腿骨の軟骨や骨にダメージが加わります。すると将来、膝蓋骨と大腿骨部分の関節で変形性膝関節症を発症するリスクがアップ。生活に支障が出ているかどうかも判断基準ですが、こういったことも手術を検討する対象となる理由にあげられます。

 

膝蓋骨の脱臼の正しい治し方3ポイント

膝蓋骨脱臼や膝蓋骨亜脱臼を治療する場合は、次の3つのポイントをおさえましょう。

 

膝蓋骨の脱臼は自分で整復しない

膝蓋骨の脱臼の治し方として、自分で整復するために方法を探しているのであれば、それよりもすぐに病院を受診しましょう。先にもお話したように自然に整復することも多いのですが、下手に行っては整復時に骨や軟骨にダメージが及ぶ恐れも……。必ず、医療機関の専門家から整復を受けるようにしてください。

 

整復後3週間は膝蓋骨をしっかり固定

脱臼した膝蓋骨を整復したら、まずは固定が大切。ギブス、もしくは膝の装具(サポーター)を着用することになります。膝の装具の中でも、脱臼の場合は、膝蓋骨が外側に動かないよう設計されたものを病院が処方。だいたい3週間はしっかり固定することが、脱臼を癖にしない第一歩と言えるでしょう。

 

完治まで我慢!スポーツ復帰は筋力も戻した2ヵ月以降に

はじめて膝蓋骨を脱臼する人は、スポーツをされている人も多いかと思われます。早く復帰したいとはやる気持ちもあるでしょうが、手術していなくても通常2ヵ月はかかると考えてください(病態によって個人差はあります。ちなみに手術した場合は3〜6ヵ月)。痛みや膝の可動域制限がなくなることはもちろん、本格的な復帰は太ももの筋力が回復するまで我慢です。ここで早まってしまうと、再脱臼を起こしかねないばかりか、他の部位にも負担がかかるため、様々な問題が生じることも……・。担当医の指示にしたがって、スポーツ復帰まで着実に進んでいくのが良いでしょう。

 

膝蓋骨脱臼を癖にしないためのおすすめリハビリ方法

それではお待たせしました。膝蓋骨の脱臼におすすめするリハビリ方法を、動画とともにご紹介しましょう!

 

【膝蓋骨脱臼のリハビリ1】まずは太もも内側の筋トレ

手術での治療を検討するケースのところで、内側膝蓋大腿靭帯が膝蓋骨を正常な位置に止めるよう働いていると話しましたが、太ももの筋肉もその役割を担っています。特に、太もも前側の大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のひとつ、内側に位置する内側広筋(ないそくこうきん)がそれです。ここの筋力が逆側の外側広筋とバランス良く保たれることが、膝蓋骨脱臼の予防につながります。

ですが、太ももの内側の筋肉は、日常では意識しないと使うことが少なく、筋力が低下しやすい部位。リハビリとしても行える次のような運動で、意識して鍛えてみてください。

 

内側広筋のトレーニング方法を動画解説

  1. 椅子にすわった状態で、片足ずつ行います。
  2. まず2秒間かけて膝がまっすぐになるよう伸ばしていきましょう。このとき、つま先を外側に少しひねることを心掛けると、内側広筋に効果的なアプローチができます。
  3. 次に、同じく2秒間かけて膝を曲げ、足を下ろします。
  4. 膝が伸び切らない人や曲がりづらい人は、無理のない範囲で構いません。
  5. 1日合計100回くらいを目安に行うと良いでしょう。

 

【膝蓋骨脱臼のリハビリ2】次に太もも外側のストレッチ

大腿四頭筋の外側に位置する外側広筋が硬くても、膝蓋骨が膝の外側に引っ張られて、脱臼しやすくなります。また、太もも裏の外側、大腿筋膜張筋の硬さも膝の脱臼に影響する要素のひとつ。そのため、これらの筋肉をストレッチでほぐすことも必要です。

 

外側広筋のストレッチ方法を動画解説

  1. 壁や椅子に手を置き、体を安定させた状態で行います。
  2. まずは、足の甲を手で持ち、膝を曲げた状態で片足立ちに。足の甲を持てない人は、タオルをひっかけて引いてもOKです。
  3. 姿勢をまっすぐにし、手に持った足のかかとをお尻に引き寄せます。つま先を内側に少し傾けると、外側広筋を効果的に伸ばすことができます。
  4. このとき、腰が反らないこと、曲げた足が体の前にいかないことに気をつけましょう。伸びが甘くなってしまいます。
  5. 太もも前面の外側が伸びてることを感じたところで、20〜40秒キープしましょう。

 

大腿筋膜張筋のストレッチ方法を動画解説

  1. 仰向けに寝て行うストレッチです。
  2. ストレッチする足裏にタオルをひっかけ、足と逆の手でタオルを持ちます。
  3. 足を内側に倒してから、タオルを引いて頭の方向に近づけていきます。
  4. このとき膝が曲がらないよう、また背中が浮かないように気をつけましょう。背中が浮いてしまうときは、足とは反対の手を外に伸ばし、顔もそちらに傾けるとやりやすいかと思います。
  5. 太もも裏の外側が伸びてることを感じたところで、20〜40秒キープしましょう。

 

膝蓋骨を脱臼したと思ったら早急に受診!

膝蓋骨の脱臼は、できるだけ早くに整復して正しく治療する必要があります。「脱臼したかも……」と思ったら、ネット上で質問するよりも、まず病院へ行きましょう。また、病院に行く前に整復した場合でも、骨折や靭帯損傷の可能性もあるので、一度は検査しておくことをおすすめします。

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