ひざ痛チャンネル編集部
2018-08-03

膝のMRI検査って何するの?【手順&撮影方法の特別体験レポート】

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膝のMRI検査って何するの?【手順&撮影方法の特別体験レポート】

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膝のMRI検査を間近に控え、不安を感じていませんか? 普段、MRIを受ける機会はそう多くはないはず。いざ検査を受けることになり「どんなことをするんだろう、何だか怖いな」と不安に感じてしまっていることと思います。

そんな方も心配無用! 検査前にこの記事をチェックしておけば、安心して膝のMRI検査に臨めるでしょう。今回は、画像による検査を専門に提供する医療機関「メディカルスキャニング」のご協力のもと、MRI撮影室での様子を特別公開。MRIの基本情報から手順、撮影方法まで、詳しくお聞きしました。さらに、検査を主導してくれる診療放射線技師の「不安を安心に変える」お話も、記事の途中でご紹介しています。膝のMRI検査のみならず、その後の治療にまで前向きになれるはずです。

 

MRI検査とは?

MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略語で、正式名称を核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう)と言います。MRIは大きな磁石とも例えられ、撮影室には磁場が働いています。身体の器官に電磁波を当てると、体内の水素原子が反応。この水素原子も微弱な電磁波を発します。そうして返ってきた波動を計算して画像とする検査方法が、MRI検査です。脳の検査などで用いられることが知られていますが、整形外科でも同様に行われています。

 

X線検査との違い

「X線とMRIってどう違うの?」と疑問に思っている方、多いのではないでしょうか? そんな方は、まずここから情報を整理しておきましょう。広いお話になるため、整形外科領域に絞って解説します。

X線検査とは放射線を使用した検査のことで、方法としてレントゲンとCTの2種類があります。整形外科がX線を用いて確認するのは、主に骨の異常。レントゲンは一つの方向から撮影するのに対し、CTでは多方向から撮影するため、立体感のある画像を得ることができます。

レントゲン画像

一方、MRIでは軟部組織(靭帯や筋肉、軟骨など)や、膝にたまった水なども写し出されるため、より多くの疾患を発見することが可能。膝の検査で使われることが多いのが、靭帯や半月板の損傷、軟骨がすり減る変形性膝関節症という進行性の疾患が疑われる場合です。

下の図では、半月板が損傷していることも確認することができます。

 

膝のMRI画像

 

2つの検査の使い分け

似て非なるX線検査とMRI検査。整形外科領域では次のような考察のもと、使い分けられています。

若者がスポーツでひざを痛めて腫れていて、注射器で水を抜くと血液が混じっているような例では、まずX線検査で骨折の有無をチェックします。そこから靭帯損傷、半月板損傷の可能性を考え、MRI検査の実施を決定します。

高齢者は、変形性膝関節症が末期まで進行して初めて病院に行くことも少なくありません。X線検査によって変形性膝関節症の末期と診断できる場合はMRI検査を行わず、人工の関節を膝に入れる「人工膝関節置換術」という手術を提案することがあります。

X線の次の段階として行われることは多いですが、必ずしもそうではありません。
例えば糖尿病の既往歴のある高齢者が膝の熱感を訴え、注射器で水を抜く際に膿が混じっている場合です。こうしたケースではX線検査を行わず、感染や骨髄炎の可能性を調べるためにMRI検査を先行して実施する場合もあります。このようにX線検査とMRI検査は使い分けられているのです。

 

医師が読み解くMRI画像

なにか分かるのか、どのように診ているのかなど、実際の解説動画も参考にしてみてください。

軟骨下骨折、骨髄浮腫、半月板損傷などがどのように映し出されるかご覧いただけます。

 

MRI検査の手順と撮影方法

MRI検査を控えている人にとって最も気になるのが、どのように検査が行われるのかということではないでしょうか。今回、取材にご協力いただいた「メディカルスキャニング」での撮影方法や、検査に際しての注意点などを例に解説します。

 

検査の流れ① 受付で保険証・紹介状を提示

まずは受付で保険証を提示し、あれば病院やクリニックからの紹介状を手渡します。

膝のMRI検査①受付

検査となると、やはり緊張してしまったり、構えてしまったりする患者さんも。そういった不安を少しでも和らげるため、受付のスタッフは制服ではなく私服を着用しているそうです。「ただ検査を受けて終わりではない」という患者さんへの細やかな心配りが、受付の段階で伝わってきました。

 

検査の流れ② 問診票の記入

膝のMRI検査②問診票の記入

診療申込票・問診票を記入します。

 

検査の流れ③ 医師による検査前の診察

膝のMRI検査⑤ 医師の診察

MRI検査を行うにあたって、膝がどういう状態なのか、検査を受けられる体調であるか、問診票に基づいて医師が診察します。

 

検査の流れ④ 検査着に着替える

膝のMRI検査⑥ 検査着に着替える

膝の検査では通常、着替えなくても支障はありません。腰回りのように、ズボンのチャックなどの金属がある場合は、着替えて検査を行います。

 

検査の流れ⑤ 診療放射線技師から注意事項の説明

着替えたらすぐに撮影! というわけではありません。MRI撮影室前へ移動すると、診療放射線技師から撮影に際しての注意事項の説明を受けます。これが重要です。

膝のMRI検査⑤ 技師から注意事項の説明

MRI撮影室へは、基本的に金属の持ち込みができません。なぜなら、MRIの機器は大きな磁石のようなもので、撮影室には強力な磁場が発生しているから。金属を持ち込むと、機器と強く引き合います。このとき発生する磁気の乱れが、検査結果に影響を及ぼしてしまうのです。

膝のMRI検査⑤ 技師から注意事項の説明

「試しに、このボールペンを持ってMRIの機器に近づいてみてください。でも、強く握りしめてくださいね」そう言われ近づいてみると、機器から強く引き寄せられるような感覚が。大げさなどではなく、撮影室では非常に強い磁場が発生しているのだと感じました。これはきちんと実験許可をいただいてやっているので、皆さんはマネしないようにしてくださいね。

次のような条件に当てはまる場合、装着しているものをMRI撮影室への入室前に取り外さなければならなかったり、検査の実施が制限されたりすることがあります。気になる点があれば、検査前に伝えるようにしましょう。

  • 入れ歯・補聴器:金属を含むため、磁場に影響を及ぼし、画像の質が悪くなってしまうことが考えられます。検査前に取り外しましょう。
  • 湿布・カイロ:特にカイロは鉄を多く含み、強力な磁場の中で発熱してしまう恐れがあるため、撮影室に入る前に外します。
  • ペースメーカー:検査の可否は、循環器科の医師や臨床工学技士がその場にいる、という条件付きとなります。MRI検査に対応したペースメーカーも最近は増えてきましたが、まだまだ少ないのが実情。検査前には必ず医師による診断があるため、そこでMRI検査の可否を判断をするという形になるでしょう。※メディカルスキャニングでは、ペースメーカーを使用している方が検査を受けることはできません。
  • カラーコンタクトレンズ:顔料に金属が含まれていることがあるため、カラーコンタクトレンズは検査前に外すことになります。
  • 防寒用の肌着:ヒートテックなど、防寒用の肌着には素材に金属が含まれているため、着用したまま検査を受けることはできません。
  • 刺青・アートメイク:刺青(いれずみ)やアートメイクの顔料にも、金属は含まれています。MRI機器の強い磁場によって金属が発熱してしまうと危険。そのため、刺青やアートメイクをしている人は検査を受けられないことがあります。

 

検査の流れ⑥ 撮影

MRI

MAGNETOM Spectra – Siemens Healthineersa

準備が整ったらMRI撮影室へ入り、検査を開始します。撮影室での流れやポイントを詳しくチェックしてみましょう。

膝のMRI専用コイル

【専用コイルを使用】

MRIの撮影にあたっては、特殊なコイル(画像で左足に装着しているもの)を使用。様々な形状のものがあり、膝関節だけでなく頭部、腹部、頸部など、部位に応じて使い分けられます。コイルの有無によって、全く画像の鮮明さが違うそうです。

【片脚ずつ、20分ほど】

両膝を同時に撮影することはありません。片脚ずつフォーカスしたい部分を絞って、より細かく撮影するためです。所要時間は片脚につき20分程度です。

【膝は少し曲げた状態で撮影】

靭帯や腱などの軟部組織がより鮮明に写るため、少し膝を曲げた状態で撮影します。

【膝が動かないよう固定】

膝を動かしてしまうと画像が不鮮明になることがあるため、先述のコイルにクッションを詰めたり、足首を固定したりして、膝が動かないように固定します。

【撮影時の音対策としてヘッドホンを使用】

MRI撮影中にはヘッドホン使用MRIの撮影中、機器からは非常に大きな音が鳴ります。そのため撮影前に手渡されたヘッドホンを装着。気持ちを落ち着かせるような音楽が流れていました。

【緊急時のためのブザー】

撮影室に備えられているブザーを使って知らせることで、いつでも検査を中断できるようになっています。例えば閉所恐怖症などで、MRIの空洞部分に入るのが怖いという方もいらっしゃるでしょう。顔が入るか入らないか、といったギリギリのときに不安がる方が多いそう。こうした不安から体調が悪くなってしまったような場合などに使うことができます。

【膝が空洞の中心部分に到達したら撮影開始】

MRI画像を撮るのは、MRIの空洞部分の中心付近。そのあたりまで膝が到達する(モニターに表示された数字がゼロになる)まで、身体が空洞に入り込みます(画像のモデルは身長185cm)。

MRI機器の空洞部分で撮影

 

検査の流れ⑦ 支払い(紹介元によって撮影データの受け取り)

支払いとデータの受け取りMRIの撮影後、検査費用を支払います。

紹介元のクリニック・病院によっては、同時に撮影データ(CD-ROMまたはフィルム)を受け取る場合も。例えばひざ関節症クリニックから紹介の方には、受け取ったCD-ROMをクリニックまで持参いただいています。その撮影データを元に、医師が治療方針を決定するという流れです。

撮影データを当日受け取るか否かは、紹介元によっても異なるため、事前に確認するのが望ましいでしょう。

撮影したデータは、施設の読影室で専門医が読影(診療上の所見を得ること)したり、メディカルスキャニングの別施設へ送られたりします。これは、その分野に精通した専門医が画像を確認し、読影するため。例えば銀座で撮影した画像を新宿などの施設で読影する場合がある、ということです。
※公益社団法人日本医学放射線学会 放射線科専門医

メディカルスキャニングでは、支払いと同時に紹介元の医療機関での診察日を伺い、その診察日に合わせて医療機関用報告書を送付できるよう調整しています。

 

膝MRI検査の基本情報

ここまでは、膝のMRI検査についての流れを中心に見ていきました。検査を受けるにあたって、費用や所要時間なども気になるのではないでしょうか。既に触れたお話も一部ありますが、そうした情報を整理しておきましょう。

 

膝のMRI検査の所要時間

MRIの撮影自体には、片脚あたり20分程度が必要となります。ただしこれは撮影のみ。受付や注意事項の説明、撮影後の待ち時間などを含めて、およそ1時間〜1時間半程度を想定しておくとよいでしょう。

 

膝のMRI検査にかかる費用

膝の状況からMRI検査が必要であると医師が判断した場合、MRI検査にも保険が適用されます。病院によっても異なりますが、保険適用で3割負担となったときの具体的な費用としては、次の通りです。

  • 単純MRI検査……8,000〜9,000円程度
  • 造影剤を使用したMRI検査……10,000〜14,000円程度

※造影剤とは、画像をより鮮明にするため関節内に注射するもので、検査の内容によって使用するかどうか決定されます。
※健康診断や人間ドックなど、予防を目的としたMRI検査には、保険は適用されません。

 

診療放射線技師が「MRI検査の不安を安心に」

「患者さんにとって、やはり検査は不安だと思います。いかに安心して検査を受けてもらうかということを考慮しています」そう語るのは、診療放射線技師の千嶋昭夫さん。お話を聞いていると、検査を受ける患者さんへの心遣いが言葉の節々から感じ取れました。

診療放射線技師がMRI検査の不安を解消

診療放射線技師・千嶋昭夫さん

「いかにして患者さんを安心させるか」

MRI撮影室は本当に強い磁場があるので、金属類は徹底してチェックを行うようにしています。かといって、逆に患者さんの不安を煽る可能性があるので、金属探知機を使うことはしません。検査前の説明にしても、回数が多くて悪いことはないと思います。いかにして患者さんを安心させるか、というところに気を配りながらやっていますね。

 

「撮影中に安心してきて、寝てしまう患者さんもいらっしゃいます」

MRIの撮影中はとても大きな音がします。仮に「足が動いてしまったからその部分を撮り直し」となれば、また同じ音を聞くことになる。それは患者さんにとってもストレスですし、痛みのある方にとっては尚更ですよね。だから、そうならないようにしてあげたいと思っています。撮影中は確かに大きい音がするんですが、一定のリズムで鳴り続けているので、途中で落ち着いてきて、寝てしまう患者さんもいらっしゃるんですよ。

 

「丁寧に優しく接してくれて安心したと、患者さんに喜ばれます」

(「検査を受けてよかった」と喜ばれることはありますか? という質問に対して)私たちは検査をして、その結果を医師の方にお渡しするケースが多いので、病気がわかってよかった、と患者さんから直接的に言われることは多くありません。でも「丁寧に優しく接してくれたから、安心して検査を受けられた」という声をいただくことはあります。

 

安心して膝のMRI検査を受けましょう

膝のMRI検査って何をするんだろう…….。と不安に思う人も多いでしょう。しかし、その必要はありません。実際の検査現場では、全くと言ってよいほど不安を感じさせない、細やかな気配りがたくさん。検査としても、MRIは様々な疾患の可能性を調べることのできる有用なものです。MRI検査を控えている人も検討している人も、安心して検査に臨んでくださいね。

 

取材協力:メディカルスキャニング

医療機器には非常に高額なものから、そうでないものまでいろいろありますが、価格差なりの性能差があります。もし検査が必要ならば、はじめから性能の良い機器で検査・診断し、その結果をみんなで利用するという選択肢も、 患者さんの負担(金銭、時間、不安)も小さく、医療経済的にもよく、地域医療のお役にも立てるひとつの選択肢では、という共通の「思い」 でスタートし、今日に至っております。(ウェブサイトより)

メディカルスキャニング銀座

こうした理念で設立されたメディカルスキャニングは、MRIやCTによる検査・診断を専門とした医療機関で、東京近郊に検査施設を多く有しています。銀座、日本橋、恵比寿、渋谷などの都心部にクリニックを構える一方、たまプラーザや富士見台など都心から離れた地域でも、同様の検査を受けることが可能です。

メディカルスキャニング 銀座
〒104-0061 中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座 2F
https://www.medicalscanning.net/index.html

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