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生活する上で、膝の曲げ伸ばしを避けることはできません。だからこそ、膝を曲げると痛いという症状をお持ちの方は、かなり深刻にお悩みなのではないでしょうか?
「原因はコレで、こうすれば痛みが緩和しますよ!」と言ってあげたいところですが、実は膝を曲げるときの痛みには、10以上の原因が……。そして、それぞれ痛みが生じる部位や細かい症状が違ってきます。
痛みを解消するためには、まず自分の原因を知ることが第一。ここであげる原因のうち、心当たりのあるものはどれでしょうか?
では早速、膝を曲げると痛いのはなぜか、どこに問題があるのかについて見ていきましょう。
膝の曲げ伸ばしは筋肉の伸縮運動によって可能となるので、膝関節の周りには筋肉と骨、骨と骨をつなぐ靭帯や腱がたくさん存在します。そのため、膝を曲げると痛い原因のひとつに考えられるのが、次にあげるような靭帯や腱の損傷。
こういったトラブルは、オーバーユース(使い過ぎ)や筋肉の硬さが関係します。
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)とは、太ももの外側を通って脛の骨までつながっている靭帯です。
ランニングや自転車などで膝の曲げ伸ばしを繰り返していると、腸脛靭帯が大腿骨との摩擦で部分的に炎症。膝に痛みが生じます。これが腸脛靭帯炎、別名「ランナー膝」とも言われるスポーツ障害です。
鵞足とはガチョウの足のこと。太ももの内側から脛の骨をつなぐ、縫工筋(ほうこうきん)・半腱様筋(はんけんようきん)・薄筋(はくきん)の3つが集まった部分がそれに似ているため、この部分の腱を総じて鵞足と言います。
膝の曲げ伸ばしや捻る動きによって、鵞足と脛の骨との間に摩擦が生じ、炎症。これによって膝が痛むようになるのです。
サッカー選手に多いスポーツ障害が、この内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)です。
内側側副靭帯は膝の内側の靭帯で、スピードにのったままでの方向転換などで膝関節が内側に入り過ぎないよう、大腿骨と脛骨(太ももとすねの骨)をつないでいます。そんな内側側副靭帯に膝の外側から加わる、強い衝撃やその積み重ねで、この靭帯が伸びてしまうことで起こります。「膝のねんざ」とも言われる疾患です。
膝関節の中央では、膝が安定するように、靭帯がクロスする形で大腿骨と脛骨をつなげ支えています。その後ろ側の1本が、後十字靭帯です。スポーツのプレー中や交通事故などで激しく膝を打ち付けている場合、後十字靭帯の損傷が考えられます。
厳密に言うと、膝を曲げるときより伸ばすときに痛みを感じることが多いでしょう。
膝のお皿(膝蓋骨:しつがいこつ)と脛の骨をつなぐ靭帯が、膝蓋靭帯。同じく膝蓋骨につながっている大腿四頭筋が、ジャンプなどの動作により収縮すると、膝蓋骨を介して膝蓋靭帯の脛骨付着部に過度の刺激が加わります。この影響で炎症をきたす障害が、膝蓋靭帯炎です。
「ジャンパー膝」とも呼ばれ、バレーボールやバスケットボール選手に多く見られます。
膝を曲げると痛いという症状は、スポーツ障害だけでなく、膝関節の軟骨や骨に異常がある場合にも見られます。靭帯トラブル同様、スポーツなどの外傷が影響して発症するケースもあるのですが、年齢が関係するものの方が多いでしょう。
膝の軟骨のすり減りや半月板のトラブルによって関節内に炎症が生じる、膝痛の代表格とも言える病気です。原因は様々で、加齢による軟骨の菲薄化(ひはくか:薄くなること)、膝への負担が大きい肥満体型、アライメント不良(O脚やX脚)などがあげられます。
痛みを感じる位置は様々ですが、日本人はO脚が多く、膝の内側のダメージが集中。そのため「内側型変形性膝関節症」で膝の内側に痛みを感じるケースが多く見られます。
半月板とは、膝関節の骨の間に存在する軟骨組織の板。衝撃を緩和するクッションや膝を安定させるスタビライザーのような働きを担っています。
スポーツでの強い接触や事故などで膝に強い衝撃が加わると、半月板が欠けてしまったり、断裂したりすることがあります。また、高齢者では加齢によって半月板が自然に変性を起こしていることがあり、少しの衝撃でも損傷しやすくなっています。半月板損傷は膝を曲げたときに痛みが生じる原因の一つで、損傷具合によっては手術が必要になるケースもあるでしょう。
ベーカー嚢胞(膝窩嚢胞)は、膝の関節腔の裏から袋状に突出した袋が膝の裏にできて、中に滑液がたまって生じます。 膝関節内の関節液が多量に作られるとそれが、裏側に流れて滑液が増加します。
腫れによって、膝の裏にゴルフボール大くらいの塊ができるため、膝を曲げると痛みを感じることも。変形性膝関節症の有病率が高い50〜70歳の女性によく見られる症状です。
関節リウマチ
リウマチというと手首や指の痛みをイメージする人も多いかもしれませんが、膝が痛くなることもあります。
関節リウマチは、体を守る免疫機能に問題が発生することで、正常な関節機能まで攻撃してしまう病気。これによって炎症が生じ、軟骨や骨が破壊されてしまうのです。最初は関節のこわばりから始まり、膝を曲げると痛みを感じます。進行するにつれて痛みは強くなり、膝に水がたまったりもします。
[詳細]発症後の2年がカギ!関節リウマチの症状と治療前の基礎知識
こちらは他と毛色が異なり、10〜15歳くらいの子供が発症しやすい膝の病気です。痛むのは膝のお皿の下。このあたりが徐々に硬く隆起する点も特徴にあげられます。
そもそも膝関節は、大腿四頭筋の伸縮運動が、膝のお皿(膝蓋骨)を介して膝蓋靭帯まで伝わることで曲げ伸ばしが可能。ただ、成長期の子供の場合、脛骨(すねの骨)も軟骨から硬い骨にまだ成長しきれていません。そのため、大腿四頭筋の伸縮による負荷が過度になると、膝蓋靭帯と脛骨の付け根が軟骨の部分ごと剥離してしまうのです。
膝関節には可動域というものがあります。膝を伸ばした状態が0°で、階段の下りには100〜120°、正座をするには150°の屈曲が必要と言われています。
この膝の曲げ伸ばしを行うのが太もも前側の筋肉群、大腿四頭筋。しかし、運動不足や老化の影響により、この筋肉が萎縮して硬くなってしまうと、膝を曲げるときに笑ったり、抜けそうになることがあります。さらに進行すると、膝を曲げることで痛みを感じることもあるのです。
原因にもよりますが、膝を曲げると痛いときには、次のような方法によって痛みの改善が期待できます。ただし、あくまで一時しのぎですので、医師による適切な診断を受けるようにしましょう。
膝が炎症で熱を持っている場合は、冷やすことが有効です。例えば、靭帯のトラブルで受傷した直後や、膝の病気で関節内に水がたまっているときなどがそれに当たります。保冷剤や氷嚢を痛みを感じる部分に当てて冷やしてみましょう。
こちらも炎症時に有効な対処法。湿布には消炎鎮痛作用があるので、痛みが軽減されるかと思います。「膝に冷湿布は良くないかも……」と迷われる方もいるかもしれませんが、実は湿布に冷やす効果はさほどありません。それより、接触性皮膚炎のリスクが懸念されるので、何枚も貼らないように気をつけましょう。1枚で十分です。
特に靭帯のトラブルで有効なのがテーピング。膝を固定したり、筋肉をサポートすることができるので、膝の痛みを感じにくくなります。
「膝痛に効くテーピングはこの5種!スポーツ別の使い方読本」で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
膝に適したテーピングの種類については、
市販されているものも多く、装具としてはメジャーなサポーター。ただ、用途で種類が違ってきます。
曲げるという膝の動きから痛みが生じているので、基本的には膝を固定するタイプのサポーターが有効です。履くタイプの他、しっかり固定できるベルトタイプもあります。また、痛みには血行が関係するため、気温によっても左右します。そういった場合は保温性の高いサポーターを選びましょう。
ただし、サポーターを着けていれば膝痛が治るというわけではありません。これはあくまでサポートを目的とした装具。着けていると痛くないからと、無理して悪化させないように気をつけましょう。
膝を曲げると痛いという症状には筋肉のこわばりも関係するため、マッサージでほぐすことで改善される場合があります。マッサージの基本は、マッサージするところを温めながら行うこと。入浴時にぬるま湯に浸かりながらというのがおすすめです。
方法としては、大腿四頭筋やハムストリング(膝を伸ばす際に関係する太もも裏の筋肉群)を親指で優しく押していく感じ。膝から足の付け根に向けてマッサージします。また、膝のお皿を上下、左右、斜め4方向に動かすことでも、痛みの軽減が期待できるでしょう。
こちらも主に関節の可動域を改善する方法です。ただ、筋肉を柔らかくすることで靭帯や関節に影響する負担も軽減できるので、すべての原因に対して有効な処置ではあります。
膝を曲げたら痛いという症状ひとつとっても、これだけの原因が考えられます。ご紹介したセルフケアで多少は痛みが緩和されると思いますが、あくまで応急処置。膝痛治療の基本は、「痛みに耐えられなくなったら病院」ではなく、「痛みを感じたら病院」です。早めに根本的な原因をつきとめ、適切な治療を受けることでこそ完治は望めるのですから。