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膝がいつも少し曲がっていて伸びない。膝を曲げた状態でいると固まって伸びなくなる。そんな症状に悩みつつも何をしていいか分からないという人は、今日からストレッチを始めましょう。ここでご紹介するストレッチには、伸びない膝を改善する効果が期待できます。実際、クリニックを受診された患者さまにも、リハビリ指導でお教えすることのあるストレッチです。
ここでは、膝が伸びないという人でもどんなタイプにストレッチが有効か、どの部位をストレッチすればいいのかなどもご説明しつつ、効果的なストレッチ方法を動画で解説します。膝を伸ばすためにどうすればいいのか、具体的な方法をマスターしましょう!
膝が伸びない人のうちストレッチが有効なのは?
「膝が固まる」「膝が伸びない」などの症状には、様々な原因があります。半月板や骨、関節包(関節を包む膜)、筋肉の問題、冷えなどによる血行不良、大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)がねじれているなどなど。原因によってはストレッチでは良くならないこともありますが、以下に心当たりのある人は改善が期待できると考えられます。
- 手術後、安静にしていた人
- 運動不足を感じている人
- デスクワークなど、同じ体勢で長時間いる人
- 激しい運動を続けている人
膝が伸びないときになぜストレッチが有効?
膝は周囲の筋肉の伸縮によって、曲げ伸ばしすることができています。つまり筋肉の柔軟性が低下すると、膝も伸びづらくなるということ。そのため、筋肉を柔らかくほぐすストレッチが、膝が伸びない症状には有効と言えるのです。その中でも、なぜ上記のタイプかというと、筋肉が伸びなくなるのには2つの原因が考えられるからです。
筋肉が伸びなくなる原因1:体を動かしていない
上記のストレッチが有効なタイプの上3つに共通するのは、体を動かしていないということ。そのよう場合は、筋肉が硬くなっていることが考えられます。そもそも筋肉は細い筋源線維が束になったもの。その束はラップするように筋膜という組織でまとまっています。体を動かさないとこの筋膜がくっついてしまうため、筋肉が動かしづらくなるのです。また、体を動かさないと筋肉が短縮してしまうとこも。筋肉の伸びにも限度があるので、筋肉が短くなると当然伸びにくくなり、膝も伸び切らなくなってしまうのです。
筋肉が伸びなくなる原因2:オーバーユース
そうすると、上記4つ目の運動をしている人は? と思われるかもしれません。筋肉は使い過ぎて膝の伸びに支障が生じます。と言うのも、筋肉の疲労が回復しない状態で動かし続けると、常に筋肉が縮んだ状態に。すると膝関節も引っ張られて、伸び切らなくなってしまうのです。
膝が伸びない症状に関係する筋肉は?
気になるのが、”どの筋肉?”というところですよね。次にあげる筋肉のストレッチが、伸びない膝を改善させる可能性があります。
膝の前やお皿の下が固まる場合は「大腿四頭筋」
変形性膝関節症の典型的な症状「膝がこわばる」。膝の前側、特に膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿)の下あたりが動きづらく、固まったように感じる場合は、原因のひとつとして大腿四頭筋が考えられます。
大腿四頭筋とは、太もも前面に位置する筋肉で、中間広筋、内側広筋、外側広筋、大腿直筋の総称です。これらの筋肉の動きは、膝蓋骨、膝蓋靭帯を介して脛骨に伝わるようになっています。この動きによって、膝を曲げたり伸ばしたりすることが可能に。つまり、大腿四頭筋の柔軟性低下や疲労の蓄積で伸縮しにくくなれば、膝が伸びづらいように感じることがあります。
膝裏が伸びない場合は「ハムストリング」
膝が完全に伸び切らないような場合は、太もも裏側の筋肉の柔軟性が原因のひとつにあげられます。ハムストリングも大腿四頭筋同様に、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つの筋肉の総称。膝関節を曲げる、股関節を伸ばすという動作を担っていて、ハムストリングの伸縮運動で立ったりしゃがんだりすることができます。
通常であれば、ハムストリングが伸びきることで膝も伸びるはずです。しかし、先にも触れたように筋肉が硬いということは筋肉が短くなっているということ。筋肉の伸びにも限度があるので、筋肉が短くなると当然伸びにくくなり、膝も伸び切らなくなってしまうのです。
膝裏が伸びないのは「腓腹筋」も関係
腓腹筋(ひふくきん)はふくらはぎの筋肉、下腿三頭筋のひとつ。膝を曲げたり、背伸びする動作を可能とします。そのためハムストリングと同じように、腓腹筋が短縮したり、筋膜が結合してしまうと、膝が伸びにくくなることが考えられるのです。また、腓腹筋は筋肉の中でも速筋という種類。大きな力を瞬時に出せますが、疲れやすいという特性があります。
ちなみに、下腿三頭筋のもう1つは、ヒラメ筋という筋肉ですが、こちらは膝関節の動きには関係していません。
伸びない膝を伸ばすストレッチ方法
では、具体的にこれらの筋肉のストレッチ法をご紹介しましょう。同じ筋肉でも体勢なども色々なので、ご自分の膝の状態に合わせて、できるものにトライしてみてください。
ストレッチをする上で注意したいのは、反動をつけて行わないこと。ゆっくりと伸ばすことが基本です。また、無理をしないことも重要。痛みを我慢してこそ効果がある、わけではありません。ターゲットとなる筋肉が伸びているのを感じる程度で大丈夫。お風呂上がりなど、体が暖まっている状態で行うと、やりやすく効果的です。
それでは、レッツトライ!
膝の固まりやこわばりを改善する大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋のストレッチとしてオーソドックスなのが、この方法です。道具が必要なく、立った状態でできるので、どこでも気軽に行えます。デスクワークの人は、仕事の休憩中などにもできますね。壁に手を当てた状態で行いましょう。
- 片足の甲を持ち、膝を曲げた状態で片足立ちに(足の甲を持てない人は、タオルをひっかけて引っ張ってもOKです。また、曲げた膝を適度な高さの台の上に乗せても安定します)。
- 姿勢をまっすぐにし、手に持った足のかかとをお尻に引き寄せます。
- 太もも前面が伸びていることを感じたところで、20〜40秒キープします。腰が反ったり、曲げた膝が身体より前に出たりしないように気をつけましょう(伸びが甘くなるためです)。
立って行うのが難しい人の大腿四頭筋ストレッチ
膝が痛くて片足立ちが厳しい人は、立て膝(サスケ座り)の状態で行うストレッチを試してみてください。膝をつくので、フローリングなどでは痛いかもしれません。マットや布団の上で行うことをおすすめします。フローリングで行う場合は、タオルを膝の下に敷くとよいでしょう。
- 膝をついた足の甲を、同じ側の手でつかみ引き上げます(足の甲を持てない人は、タオルをひっかけて引っ張ってもOKです)。
- 前に出した足の膝を少し前に出すよう、重心を移動します。
- 太ももの付け根部分が伸びているのを感じたところで、20〜40秒キープ。姿勢が崩れないように注意しましょう。
- 可能な人は、手に持った足のかかとをお尻に近づけるとより効果的です。
より楽な姿勢で行う大腿四頭筋ストレッチ
座った状態や横になった体勢で行うストレッチ方法もあります。体勢に負担がないので、家でテレビを見ているときや、寝る前などに取り入れてみてください。
- 座った状態で、片足の膝を外に折り畳むように曲げます。
- 体を後ろに少し傾け、両手をつきます。
- 太もも前面が伸びていることを感じたところで、20〜40秒キープ。お尻が床から浮いたり、腰が反ったりしないように注意しましょう。
- 可能な人は体をもっと倒す、もしくは床に仰向けになるとより効果的です。
膝裏を伸ばすためのハムストリングストレッチ
太もも裏側の筋肉、ハムストリングのストレッチも、まずは立った状態で行うものからご紹介します。大腿四頭筋のようにバランス感を必要としないので、より気軽にどこでもできるストレッチです。また、筋肉が硬くてもできる体勢なので、ハムストリングのストレッチの中でも最も簡単な方法と言えます。
- ストレッチをかける足を半歩前に出します。
- 股関節から折り畳むように、体を前に倒します。
- このとき、後ろの足の膝を軽く曲げるとやりやすいです。
- 太ももの裏側が伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープ。背中が丸まったり、前に出した膝が曲がったりしないように気をつけましょう。もし曲がってしまう場合は、体を倒す角度を浅くしても構いません。
座って行うハムストリングストレッチ
座って行うパターンでは、特に大腿二頭筋をターゲットにしたストレッチをご紹介しましょう。
- ストレッチしない方の足を内側に折り畳みます。
- 伸ばした足の膝に手を当ててしっかり伸ばし、内側に少し倒します。これが大腿二頭筋へのアプローチです。
- 体を倒し、反対側の手で伸ばした足の小指を掴みます。股関節を折り畳むように体を倒すのが重要です。
- 太ももの裏側が伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープ。
- 足首が手前に曲がるように引き寄せると、より効果的です。
ちょっとした段差を利用したハムストリングストレッチ
踏み台や階段など、ちょっとした段差があるところでは、ハムストリングの中でも半腱様筋・半膜様筋の効果的なストレッチが可能です。こちらも立った状態で気軽に行えるので、段差を見つけたらぜひ試してみてください。
- 段差の横に立ち、前方を向いたままストレッチをかけたい足を段の上に乗せます。
- 段に乗せた足全体を外側に倒します。膝をしっかり伸ばした状態で、爪先は天井に向けましょう。
- この状態で、股関節を折り畳むように、体を前に倒していきます。
- 太ももの裏側が伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープします。
膝裏をのばすための腓腹筋ストレッチ
ふくらはぎの筋肉を伸ばす腓腹筋のストレッチは、多くの人が一度はやったことがあるのではないでしょうか。ただ、正しい方法でなければ本来の効果は得られません。ポイントをしっかりおさえてやってみてくださいね。
- 壁や椅子に手を置いて体を安定させ、足を前後に大きく開きます。
- 前足の膝を前方に押し出すように曲げながら、体重を移動させていきます。
- 後ろ足のかかとを床につけるために、重心を下げます。後ろ足のつま先が外に向かないように注意しましょう。
- ふくらはぎが伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープ。骨盤が正面を向くように体勢を維持しましょう。
階段や踏み台を使って行う腓腹筋ストレッチ
何も使わなくてもストレッチ可能ですが、階段などの段差を利用してストレッチの負荷をかける方法もあります。
- 壁などに手を置き、体を安定させます。
- 片足のかかとを段差から出します。
- かかとを下げるように体重をかけます。このとき、膝が曲がらないよう意識しましょう。
- ふくらはぎが伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープ。
物足りなさを感じる人におすすめの腓腹筋ストレッチ
①や②のストレッチでは単純すぎる、もっと”やってる感”が欲しいという人は、こちらの方法で腓腹筋を伸ばしてみてください。
- 四つ這いの体勢から足を伸ばし、お尻を突き上げます。
- ストレッチをかける側の足首に、反対のつま先をひっかけます。かかとが浮かないようにしましょう。
- 重心を前に移動していきます。
- ふくらはぎが伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープしましょう。
膝への効果が期待できる時期と続けるヒント
ストレッチで効果を得るためには、継続が必要です。3ヵ月は続けてみてください。でも継続することが難しいですよね。だからこそ各筋肉、いろんなシーンでできる3種類のストレッチをご提案しました。思い出したときにできる、気分を変えてできるということも、続けるための工夫のひとつではないでしょうか。