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変形性膝関節症でサポーターが欲しいけど、薬局やドラッグストアにはたくさんあってどれがいいか分からない。買って使ってみたけど、あまり膝の痛みが軽減されない。そんなお悩みはありませんか? ここでは、自分の膝に合ったサポーターを選べるよう、整形外科医が変形性膝関節症の特徴に合ったサポーター選びのポイントをお教えします。
変形性膝関節症にサポーターを使用する目的はもちろん、選ぶときにチェックすべき3つのポイントやより専門的な膝サポーターの情報まで、役立つ情報をまとめました。もうサポーター選びで迷ったり失敗しないために、ぜひご覧ください!
変形性膝関節症はサポーターでは治りません
毎日サポーターを着けたからといって、変形性膝関節症が治療できるわけではありません。ただ、次のような目的からサポーターを着用することで、膝の痛みを軽減する効果は期待できます。
痛覚の反応を遅らせて膝の痛みを緩和
サポーターを膝につけることで、触圧覚(触られているときに感じる感覚)が刺激されます。この感覚への刺激は、痛みの刺激よりも早く脳に伝わります。つまりサポーターで圧迫感を与えることで、痛みを感じさせにくくすることができるのです。この作用を利用することで、膝の痛みを和らげられます。
膝を安定させて痛みを緩和
そもそも変形性膝関節症の膝の痛みは、軟骨の損傷による関節内の炎症が原因です。大腿四頭筋(だいたいしとうきん:太もも前側)の筋機能の低下や、靭帯の影響による関節の緩み、体重の影響で膝にかかる負担が増加するなど、様々な要因によって生じる膝のぐらつきで、軟骨のすり減りが進行します。つまり、サポーターで膝のぐらつきを固定して安定させることで、痛みを軽減することができるのです。
膝を温めて痛みを緩和
また、血行が悪くなると膝の痛みはたいてい増してしまします。冬などの寒い時期により痛むように感じるのはこのためです。そのため、保温用のサポーターで冷えを防ぎ、痛みを軽減するというのも大きな目的のひとつとなります。
変形性膝関節症のサポーター選びのポイント
目的を把握したところで、選ぶときに重視すべきポイントをおさえましょう。
1 サイズに合った適度な圧迫感
市販サポーターで変形性膝関節症に適したものを選ぶとすれば、膝をしっかり固定するタイプよりも、制動やフィット感をまかなう、適度な圧迫感のあるものをまずはおすすめします。
ネットの情報を見ていると、圧迫の強いサポーターは膝の血流を悪くするから良くないと書いていたりしますが、これは筋肉を締め付け過ぎることでの血流阻害かと思われます。また、サポーターの履き口など、膝の上下を部分的に強く締め付けてしまうと、足先の方でうっ帯(静脈で血液が停滞してしまうこと)を起こしやすいので良くありません。ただ、脚の太さや筋肉量にとって適正なサイズであれば、膝を全体的に適度にカバーする(フィット感がある)方が、触圧覚の刺激からも痛みの軽減が期待できます。
また、膝に水がたまる場合には、サポーターによる外からの圧迫が水のたまりを多少和らげることも。ただし、膝の水たまりは炎症を起こしているサイン。サポーターだけに頼らず、きちんと病院で炎症に対する治療を受けましょう。
2 膝をぐらつかせないサポート力
そもそも、半月板や靭帯の損傷度合いによっては、変形性膝関節症でもサポーターが必要ない場合がありますし、その逆も言えます。ただその中で、中期や末期まで進んでいるのであればサポーターは必要。このとき、安定性や固定性などがシーンによって必要になってきます。
例えば、サポーターの内側や外側に柔軟ながら固定性のあるスプリングがついているタイプ。痛みの他、膝の不安定さで歩きにくさを感じているようなら、こういったサポーターも有効でしょう。病院では医師の診断をもとに、このような両側に支柱の入った膝軟性装具(軟性の素材でつくられた装具)を処方することがあります。
3、冷える場合は保温タイプを
先にも触れたように、冷えると血流が悪くなり痛みが強くなります。そのため、変形性膝関節症のような慢性的な膝の痛みには、保温タイプのサポーターを使用することが効果的です。血流改善が目的ですから、ズレない程度のフィット感があれば十分です。この保温サポーター、冬はもちろんですが、冷房での冷えがあるので、夏場は持ち歩くと重宝します。汗をかいても蒸れない素材だと着け心地も良く、長時間着用できるでしょう。
変形性膝関節症の医療用サポーターとは
薬局やドラッグストアで売られているサポーターの中に、医療用と書かれたものがあるのをご存知でしょうか。一般的なサポーターと医療用にはこんな違いがあります。
市販されている医療用サポーター
バンテリンやザムストなど、誰もが知る一般的なサポーターと何が違うか。言葉のニュアンスからすると、厚生労働省の医療機器認証を受けているものがこれに該当すると考えられます。ただ、実際に市販されている商品を見ると、それ以外でも「医療用」とうたわれているものはあるようです。
医療用サポーターに分類される商品は、病院や整骨院の医師が監修したり製作に携わったりしたものから、ただ医療とつけたものまで様々。ただ医療用と書いてあるから良いと判断するのではなく、先にあげたポイントを一般用と比較して選ぶことをおすすめします。
サポーターと変形性膝関節症の装具の違い
市販のものと違い、病院で処方するものは「装具」に分類されます。人工関節などの手術後に使用するイメージがあるかもしれませんが、変形性膝関節症の診断がつけば適応です。既製品を処方されることの他、処方箋から製作所がつくるテーラーメイドのものも。
膝の装具(ニーブレース)はサポーターのような柔らかい素材でできた軟性装具と、金属などしっかりした素材でつくられた硬性装具の2種類。変形性膝関節症の病態や患者さまがどんな生活スタイルかによっても異なります。
サポーターは変形性膝関節症の治療に併用
最初にお伝えしたように、サポーターはあくまで、変形性膝関節症の膝の痛みを軽減したりすることが目的であって、治療するものではありません。また、今回は”膝の痛み”という大きなくくりでポイントをあげましたが、変形性膝関節症の場合、体重や筋力、O脚など、その要因や病態によっても、サポーターの選び方は変わってきます。ですので、きちんと病院での治療や運動療法も行いながら、生活への支障や痛みのストレスを緩和する意味で正しく取り入れましょう。