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膝の痛みの対処法のひとつが、テレビCMでもおなじみのサプリメント。なかでもよく耳にするのが、グルコサミンではないでしょうか? でも世界でもその評価は賛否両論。膝の痛みにホントに効くの? 効かないの?
気になるあなたのために、グルコサミンサプリメントでチェックすべき3つのポイントを公開。人気トップ10サプリメントもその3ポイントで比較しているので、お見逃しなく!
なぜ膝の痛みにグルコサミン?
「膝の痛み=グルコサミン」という認識が広がっていますが、実はなんでか知らないという方もいるでしょう。これには、グルコサミンサプリメントに期待される2つの効果が関係しています。
軟骨成分だから
そもそもグルコサミンとは、アミノ糖と呼ばれる物質で、軟骨を生成する成分。このことから、サプリメントの服用で軟骨のダメージが修復され、膝の痛みや動きづらさが改善されるのでは? と考えられています。
膝の痛みのもと「炎症」を抑える?
もうひとつグルコサミンに期待されている効果が、抗炎症作用です。膝の痛みは関節内の炎症が大きく関係しています。つまり、この炎症を抑えれば痛みが和らぐということ。グルコサミンにおける可能性が示唆された報告もあるため[1]、症状緩和というイメージにつながっているのかもしれません。
世界的な評価は?
栄養補助目的のサプリメントの他に医薬品も存在するグルコサミン。医薬品としての評価は、世界の各地域でかなり異なります。
例えばアメリカでは近年、医療現場で鎮痛剤などと併用するケースも出てきているようですが、食品や薬品の安全性を取り締まるアメリカの政府機関FDAのグルコサミン評価は、健康補助食品という分類。肯定的ではないようです。
ヨーロッパでは30年も前から変形性膝関節症に効果があるのでは? と、臨床試験が盛んに行われてきました。フランスやドイツなどでは一般用医薬品として広く普及しています。
そして日本ですが、医薬品としてのグルコサミンはありますが、やはりサプリメントとしての位置づけが圧倒的。医薬品化は活発とは言えない状況です。
また、経口摂取するグルコサミンは臨床的に意味があるほど膝の痛みに効かないという研究結果も[2]。ただ、プラセボ効果(プラシーボ効果)といって、思い込みで自然治癒力がアップするケースも腰の痛みでは報告されおり、膝でも可能性はあります[3]。
サプリメント選びでおさえるべき3ポイント
医薬品としては評価の分かれるグルコサミンですが、サプリメントは栄養補助が目的。そもそも劇的な効果を期待できるものではありません。ただ、その中でもより良いものを、という心情はプラセボに作用するかもしれません。そんな人は、次の3つの視点を持って、選んでみてください。
①グルコサミン含有量はどのくらいか
市場に出回っているサプリメントを選ぶ上で気をつけたいのが、グルコサミンがどのぐらい含まれているかです。一日あたりのグルコサミン摂取の目安は1500mg以上とされています。含有量が商品にきちんと記載されているかをチェックして、1500mgの摂取が現実的かを確認しましょう。
また、エビやカニを食べてアレルギーを起こしたことがあるという方は、原料欄を見てみてください。多くのグルコサミンサプリメントはエビの殻や蟹の甲羅などを原料としています。一方で「植物性」と書かれている商品はトウモロコシなどを原料にしているので、甲殻アレルギーの人にも安心です。
②コンドロイチンが配合されているか
グルコサミンの他の成分もチェックしましょう。コンドロイチン(800~1200mgが理想)は、グルコサミンと一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。
グルコサミンの軟骨生成に対してコンドロイチンは、グルコサミンによって生成された軟骨の水分を保持するなどの役割があり、その機能の維持に期待ができます。
③崩壊試験の結果を公表しているか
グルコサミンに限らず、サプリメントを選ぶときに注意したいポイントが、崩壊試験を行っているかです。崩壊試験とは、胃で錠剤がちゃんと溶けるかという試験。当然ながら、胃でサプリが溶けないと体にも吸収できません。国民生活センターではサプリメントについて「健康食品は、錠剤やカプセルが胃の中で溶けにくいものがあるなど、品質上も問題があった」と消費者に対してアドバイスを行っています。
大手企業などは体内への吸収性にこだわり崩壊試験を行ってその結果を商品のホームページなどで公表しているところもあるので、興味のある方は確認してみてください。
人気ランキングTOP5のグルコサミンサプリメントを比較
どうせなら該当するサプリメント名を知りたいというニーズも多いのでは? そんな方のために、価格ドットコムの人気売れ筋ランキングにトップ5入りしているグルコサミンサプリメントを、上記のポイントで比較してみました(2017年8月現在)。
5位 【DHC】パワーグルコサミン
グルコサミン配合量がアップした商品のようで、公式サイトでも「DHC史上 最強のグルコサミン」とうたわれています。また、ヒアルロン酸やエラスチンペプチドなども新たに配合されています。
激しい動きが不安な方や、階段や立ち座りがつらい方を対象としたグルコサミンサプリメント。
- グルコサミンの含有量と原料
1日あたりの摂取目安を6粒とし、それで摂取できるグルコサミン(グルコサミン塩酸塩)は1,920mg。原材料は、カニやエビ由来の成分を使用。
- コンドロイチンの有無
1日の目安量にコンドロイチン27mgを含有。原材料は、ムコ多糖タンパクや鶏軟骨抽出物。
- サプリの崩壊試験の有無
電話で問い合わせたところ、試験は実施している模様。ただ、詳細データは工場にあるので、何分で崩壊するか(溶けるか)まではすぐには分からないとのことでした。
4位 【サントリー】ロコモア
グルコサミンサプリメントではありますが、売りはサントリーが20年以上前から注目していたという筋肉成分「イミダゾールペプチド」。カツオやマグロなどの回遊魚に多く含まれる成分を組み合わせているとのこと。
歩きづらさをすでに感じている方から、将来に備えたい方までを対象としています。
- グルコサミンの含有量と原料
1日あたりの摂取目安は6粒。そこから摂取できるグルコサミンは1,200mgとされています。原材料は、カニやエビ、サケ由来の成分を使用。
- コンドロイチンの有無
コンドロイチンを含有する軟骨抽出粉末が1日分に300mg含まれています。そのうち、コンドロイチン含有量が何パーセントかという細かい表記はありません。
- サプリの崩壊試験の有無
問い合わせ窓口では、試験実施の有無をすぐに名言できる情報を持っていないようでしたが、後日資料を送付してくれることになりました。
3位 【DHC】極らくらく
グルコサミンやコンドロイチン、Ⅱ型コラーゲンなど、膝痛サプリの代表的成分の他、抗炎症などが期待されるMSM(メチルサルフォニルメタン)など、合計9種の成分を配合した複合タイプのサプリメント。
関節が急にズキっと痛む症状や、膝の曲げ伸ばしがつらい方を対象としています。
- グルコサミンの含有量と原料
こちらのサプリメントも、1日あたりの摂取目安は6粒。摂取できるグルコサミンは1,320mgとされています。原材料は、カニやエビ由来の成分を使用。
- コンドロイチンの有無
1日の目安量あたりに、コンドロイチン150mgを含有。原材料は、ムコ多糖タンパクや鶏軟骨抽出物。
- サプリの崩壊試験の有無
こちらも同社の『パワーグルコサミン』同様、崩壊試験を行っているとのことでした。
2位 【Asahi】筋骨グルコサミン
アサヒ研究所が大学と共同で機能性研究を行った筋骨草(シソ科の一種)エキスとグルコサミンを主成分とするサプリメント。他にもコンドロイチンやコラーゲン、亜鉛など、合計13種類の成分で構成されています。
いつまでも趣味を楽しみたい方や、スマートに家事をこなしたい方などを対象としており、将来に備える目的が大きいようです。
- グルコサミンの含有量と原料
1日あたりの摂取目安は8粒に配合されるグルコサミン量は、1,600mg。原材料は、カニやエビ由来の成分。
- コンドロイチンの有無
配合成分にコンドロイチンの表記はありますが、その量に関しては表記がありませんでした。
- サプリの崩壊試験の有無
相談窓口に問い合わせたところ、崩壊試験は行っているそうです。ただ、DHC同様、詳細データはすぐには分かりかねるとのことでした。
1位 【オリヒロ】高純度グルコサミン
科学的根拠に基づく機能性が表示された、機能性表示食品(消費者庁長官が許可を与えたトクホ食品とは異なります)。このサプリメントにおいては、「関節軟骨を維持する」という機能がうたわれています。
階段の昇降で膝が気になる方、孫とスポーツを楽しみたい方などを対象としたサプリメントです。
- グルコサミンの含有量と原料
1日あたりの摂取目安は10粒で、そこに含まれるグルコサミン量は、1,500mg。原材料には、カニやエビ由来の成分が使用されています。
- コンドロイチンの有無
1日の目安量あたりに、コンドロイチン含有のムコ多糖タンパクが100mgと表記されていますが、コンドロイチンの含有率は表記されていませんでした。
- サプリの崩壊試験の有無
こちらも電話で問い合わせたところ、崩壊試験を実施しているとのことでした。また、詳細データについても公開していて、『高純度グルコサミン』に関しては30分で崩壊するという結果が出ているそうです。
あくまで安心材料として使用
人気ランキングにランクインしているグルコサミンサプリメントを比較してみましたが、「まずは整形外科」ということは大前提としてお考えください。サプリメントは栄養補助食品です。薬ではありません。各商品が「こんな人へ」と対象にしている症状を見ても、将来の膝痛への備えや、すでに痛くても違和感レベルと受け取れます。プラセボ効果は得られるかもしれませんが、変形性膝関節症などの疾患は進行性です。ひざの状態をきちんと調べて、早期に適した治療を行うことが大切になります。
<参考文献>
[1] ISAO N.「CHONDROPROTECTIVE ACTION OF GLUCOSAMINE ON KNEE OSTEOARTHRITIS」Juntendo Medical Journal / Volume 59 (2013) Issue 2
[2] Wandel S, et al. 「Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis.」 BMJ. 2010; 341
[3] Carvalho, Cláudia et al.「Open-label placebo treatment in chronic low back pain: a randomized controlled trial.」PAIN: December 2016 – Volume 157 – Issue 12 – p 2766-2772