ひざ痛チャンネル編集部
2018-04-20

【厚労省の膝痛予防マニュアル】要点まとめて教えます〜運動編〜

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【厚労省の膝痛予防マニュアル】要点まとめて教えます〜運動編〜

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この記事を読んでいるみなさんの関心事は、どうやって膝の痛みを予防し、健康寿命を守るかということではないでしょうか。国も考えることは同じ。長寿大国なだけに、寝たきりを防ぐことは重要度の高い事項です。そこで、厚生労働省は介護予防の推進支援事業の一環として「介護予防マニュアル」なるものを作成。膝の痛みを予防するおすすめの運動方法について、ホームページで公開しています。

各自治体に向けて公開されているものですが、さすが、その内容のお役立ち度は高いもの。そこで、要点をピックアップして、分かりやすく解説してみました。資料にあったストレッチや筋トレ方法は、ひざ痛チャンネル動画で確認できます。

老後を寝たきりなんかにしないためにも、膝痛の正しい予防法、今すぐチェックしてはじめてみませんか?

 

膝痛予防マニュアルにはこんなことが書いてある!

厚労省の介護予防マニュアルのひとつに「運動器の機能向上マニュアル」があります。膝痛の他、腰痛や骨折についての情報も含まれていて、進行予防の効果に対するその運動プログラムの有効性は、厚労省の大規模な比較対照試験でも明らかになっているようです。そうなると、特に膝の痛みについてどんな内容が推奨されているのか、気になりますよね。それは、次にあげるような内容でした。

  • 事業の趣旨……どんな内容が書いてあるか。対象者にやってもらうためには何が重要か。
  • 一次予防事業……膝の痛みの「発症予防」を目的とした場合の実施体制等。
  • 二次予防事業……膝の痛みの「進行予防」を目的とした場合の事前準備等。
  • 二次予防事業プログラム……膝痛・腰痛・骨折に対する具体的な運動内容と留意点、期間や回数等。

自治体で行うための資料ということに加え、情報が充実しているので、全部を理解するのはなかなか大変。ということで、もちろん全部知っておくにこしたことはないのですが、今回はこの中から、まず絶対におさえておきたい情報を厳選してご紹介します。

 

絶対必須の膝痛予防の運動をピックアップ&動画解説

早速、どんな運動がいいのか、具体的にどうすればいいのかといった、予防プログラムの運動内容について見ていきましょう!

 

運動で膝痛を予防するときの手順

ひざ痛チャンネルでも、よく痛みの改善や予防を目的としたストレッチや筋トレ法をご紹介していますが、厚労省のマニュアルでプログラム化されている運動もそれです。

ただ、やみくもに行うわけではありません。膝の痛みを予防する場合の運動の流れは、関節液を循環させる運動やストレッチでウォーミングアップしてから、メインの運動として筋トレを、そしてクールダウンにもう一度ストレッチを行うというものです。

膝痛予防の運動の手順

 

膝痛の予防に必須の運動をピックアップ解説

厚労省が推奨している、ウォーミングアップからクールダウンまでに行う運動を全部合わせると、実に21種目! この中から、まず取り掛かりとしておさえるべきストレッチや筋トレをピックアップしています。ウォーミングアップ&クールダウンのストレッチなどでは、膝が痛くてもできる種目を選定。主運動の筋トレでは外せない定番の運動を選んでみました。

それでは、ひざ痛チャンネルのオリジナル解説動画も合わせてチェックしていきましょう。

 

①膝痛予防運動のウォーミングアップ「足踏み」

膝の痛みを予防する運動では、まず膝関節の潤滑を良くしておくことが重要として、足踏みを紹介。足踏みは同時に、太ももの大腿骨(だいたいこつ)やすねの脛骨(けいこつ)、膝のお皿の膝蓋骨(しつがいこつ)らの運動性を高める意味でもウォーミングアップに取り入れられています。

具体的な方法は、椅子に座った状態での足踏み20回を2セット行うというものです。椅子に座って行うことで、誰でもできるし、膝に不要な負担をかけることもありませんね。

 

②膝痛予防運動のウォーミングアップ「膝の曲げ伸ばし」

準備運動はとても重要です。ですので、膝関節の潤滑と骨の運動性を高めるもうひとつの運動も欠かせません。それが、膝を曲げ伸ばすというもの。2秒かけて膝を伸ばし、2秒かけて曲げるという風に、ゆっくりと膝を動かすことで大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のトレーニングにもなります。

動画はこの運動を単体で行うケースも考慮し、1日100回を目標にと説明しています。ただ、今回のようにいくつかの運動を組み合わせる際は、厚労省のマニュアルにあるように、20回を2セット行うことから始めるのが良いでしょう。

 

③膝痛予防運動のウォーミングアップ「ハムストリングスのストレッチ」

ハムストリングスとは、太ももの裏側の筋肉の総称。膝の屈伸に関係する筋肉です。そのため、この筋肉が硬いと、膝の動きが悪くなったり、ケガもしやすくなります。運動の前後にはしっかり伸ばしておきましょう。

ご紹介する動画では立って行っていますが、膝に痛みのある人は無理をせず、座った状態で片足ずつ伸ばす方法でもOK。厚労省のマニュアルでも椅子に座って行う方法を紹介していました。また、ストレッチ時間も20〜40秒キープをありますが、最初は15秒を2セットなど小分けしてできるレベルからはじめましょう。

座って行う場合は、椅子に浅く腰かけ片方の足を伸ばします。そして、股関節を折り畳むように上半身を倒していくのですが、このストレッチでのポイントは、このとき背筋が丸まらないようにすること。また、伸ばした足の膝がどうしても曲がってしまう場合は、体を倒す角度を浅くして調整すると良いでしょう。

 

④膝痛予防運動のウォーミングアップ「内転筋群のストレッチ」

太ももの内側の筋肉を総じて、内転筋群(ないてんきんぐん)と言います。太ももの外側の筋肉と一緒に、骨盤の安定性を司る筋肉です。ここの筋肉が硬いとトレンデレンブルグ徴候(痛みのある足で片足立ちしたときに、反対側の骨盤が下がる現象)の助長にもつながり、ヨタヨタと不安定な歩き方になってしまいます。

こちらも動画は立った姿勢ですが、椅子に浅く腰かけて行うこともできます。まず足を左右に大きく広げ、手は膝に、つま先は正面を向くように意識。厚労省のマニュアルだと、そこから上半身を前傾させ、両手で同時に膝を押し広げるよう説明していますが、動画のように片方ずつ肩を内側に入れり方法でも得られる効果は同じです。同時に両膝を広げる場合は15秒×2セット行います。

 

⑤膝痛予防運動のウォーミングアップ「下腿三頭筋のストレッチ」

下腿三頭筋(かたいさんとうきん)はふくらはぎの筋肉です。変形性膝関節症などの膝痛では、膝が伸び切らないという症状も多いので、ウォーミングアップの際には膝裏のストレッチも大切。そこで、膝裏に関わるハムストリングスの他にもうひとつ、ふくらはぎの筋肉もほぐしておきます。

足を大きく前後させて後ろ足のふくらはぎを伸ばすこのストレッチは、多くの人が一度はやったことがあるのではないでしょうか。ポイントは足先や骨盤が外に向いたり開いたりしないこと。体を正面にまっすぐ向けて行うことが大切です。こちらも最初は15秒×2回で構いません。

 

⑥膝痛予防の主運動「タオルつぶし」

トレーニング用語では「セッティング」と呼ばれる方法で、手術後のリハビリなどでも、まず取り入れられる運動のひとつ。太もも前側にある大腿四頭筋を鍛え、膝にかかる負担を少しでも軽減させることが目的です。

方法は簡単。床に片足を伸ばして座り、伸ばした足の膝下に丸めたタオルを置き、押し潰すように太もも前面の内側に力を入れるというもの。膝が伸び切る人は、膝のお皿を基準に太もも側に、伸び切らない人はふくらはぎ側にずらしてタオルを置きます。回数は10回×3セット。1回あたり力を入れた状態で5秒ほどキープすると良いでしょう。

 

⑦膝痛予防の主運動「チューブで膝の曲げ伸ばし」

こちらも大腿四頭筋のトレーニングです。基本動作はウォーミングアップ②と同じ、椅子に座って行う膝の曲げ伸ばし運動。自重(何も負荷をプラスしない状態)でも筋トレ効果はありますが、厚労省のマニュアルではチューブを使用して負荷をかけるこの方法が紹介されていました。

チューブはエクササイズ用品として、100均ショップでも売っています。その片側を椅子の足に結び、もう一方を足に引っ掛けて膝を曲げ伸ばすという運動を15×2セット。ただ、負荷をかけると膝に痛みが生じる人は無理をせず、自重のみの運動から始めことをおすすめします。

 

⑧膝痛予防の主運動「タオルはさみ」

太ももの内側、内転筋群に力を入れて行うトレーニングがこちらです。さきほど膝の下にタオルを置いてつぶす運動(主運動⑥)を紹介しましたが、このタオルを今度は左右の膝にはさんでつぶすというもの。回数は同じで、力を入れた状態を5秒キープするのを10回×3セット。

内転筋群の運動は股関節や膝関節を安定させることにつながるので、歩行時に股関節が傾くトレンデレンブルグ徴候や、膝が外側にぶれるラテラルスラスト現象の改善が期待できます。

 

⑨膝痛予防の主運動「横向きで足あげ」

アブダクションと呼ばれる筋トレ法で、お尻の臀筋群(でんきんぐん)を鍛える運動です。実はお尻も、膝の安定性に関係する筋肉のひとつ。そのため、ひざ痛チャンネルでは変形性膝関節症などの予防においても、内転筋群と一緒に鍛えることをおすすめしています。

横向きに寝そべって、上の足を伸ばしたまま上げ下げするという運動のポイントは、スタート時の体勢を上から見た時に、頭・肩・骨盤・膝・足首が一直線になるようにするということ。また、腰が反ったり、膝が曲がったりしないこと。そして、つま先が上を向かないようにすること(つま先が上を向くと、足が捻れてしまうため。かかとを天井に近づけるイメージで行うGood)。

動画では3秒かけて上げ、3秒かけて下ろす運動を10回×3セットというのを目安にご紹介していますが、厚労省マニュアルでは20回×2セットでした。どちらでも、やりやすい方で構いません。

 

⑩膝痛予防の主運動「スクワット」

トレーニングの基本、スクワット。⑨までやって余裕のある人は、こちらを追加してもいいかもしれませんね。というのも、スクワットは正しい方法で行えば、背中からお尻、太ももまで、広範囲の筋肉を鍛えることができる効率の良い運動だからです。

足は肩幅に広げて立ち、お尻を後ろに引くようなイメージで股関節と膝を曲げて行きます。膝が痛いと深くは曲げられない人もいるかと思いますが、軽く膝と股関節を曲げるくらい(動画の1/4くらい)でもOK。厚労省マニュアルでも、それくらいの負荷で紹介しています。ただ、どちらにしても上半身が前に倒れたり、曲げた膝がつま先より前にでないように気をつけて行ってください。

 

膝痛予防のための運動、期間や頻度はどれくらい?

カレンダー

具体的なやり方の他にも期間や頻度など、運動する上での疑問点があるかと思います。その点についても、マニュアルではきちんと解説されていました。

 

膝痛予防運動を続ける期間は3ヵ月

運動継続の期間については、3ヵ月間を目安として行うという記載がありました。それ以上でも問題はありませんが、自治体が多人数に対して行うことを想定したマニュアルなので、3ヵ月ごとに効果を評価し、個別に運動計画を組み立てるという考えのようです。そして、淡々と続けるのではなく、最初はコンディションを整える期間として軽めに始め、次に筋力を高める期間、最後に機能向上を目指して行う期間と、3ヵ月を3つのステップに分割することが推奨されています。

ちなみに、筋トレやストレッチの効果は一朝一夕では得られません。やはり個別に評価してプログラムを調整するためにも、3ヵ月くらいは必要という判断でしょう。

 

運動の頻度は週に2回を目標に

負担にならない程度の回数というのは前提としてあるのですが、「気が向いたときにやる」というのでは、なかなか効果が期待できません。厚労省のマニュアルでも、機能の向上を図るのなら、週2回以上は必要であると説明されていました。

 

運動での膝痛予防を続けるために必要な3つのこと

このマニュアルには、膝の痛みを予防する運動をより効果的にするためには、対象者が自主的に、意欲的に行うということが重要だといった内容が明記されています。そこで厚労省が提案しているのが【成功体験をつくる】ということ。そのために、次の技法を紹介していました。これは個人で行うときにも役立つので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

できる目標を立てる

はじめから頑張り過ぎないことも大切です。頻度や各運動の回数などを紹介しましたが、最初は可能な回数でいいと思います。週2回を1回から始めるなど、こなせる目標を立てることで「やれるんだ」という最初の成功体験をまずは獲得しましょう。

 

行動を記録する

目標ややったことは、記録して成功を視覚化しましょう。カレンダーや手帳に運動を行う予定日と実施日を記録するようにすれば、クリアしたくなる気持ちの後押しになることもあるでしょう。特に、コンプリート欲の強い人には効果があるのでは?

 

自分をほめる

行動の記録で達成感を得るのももちろんですが、自分をほめてあげることも忘れずに。個人でやるならまた頑張ろうと思えるような、ご褒美などを考えておくのもひとつの手かもしれませんね。

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